2月25日、3月3日及び3月5日、クロアチアの建設・都市計画・国家資産省と当館の共催で、震災復興に関する日本の知見共有オンライン・セミナー“Build Back Better - Sharing Japanese experience in earthquake reconstruction” を開催しました。クロアチアの震災復興に携わる中央政府や地方政府、学界からは約50名におよぶ専門家が参加しました。
クロアチアでは2020年3月に首都ザグレブ北部を震源とするマグニチュード5.5の地震が、同年12月にはシサク・モスラビナ県のペトリニャ市を震源とするマグニチュード6.2の地震が発生し、大きな被害が生じました。防災先進国と言われる日本は、震災復興や防災についての知見の共有をクロアチア政府から求められたのです。
このセミナーの講師とテーマは以下のとおりで、参加者からは熱心な質問やコメント、さらなる知見の共有への要望が寄せられました。
第一部 竹谷公男 JICA(独立行政法人国際協力機構) 防災分野特別顧問
東北大学災害科学国際研究所IRIDeS 客員教授
復興政策に関する参加者の認識の共有を促進すべく、政府の役割、他国のBuild Back Betterの
事例など
第二部 西川智 名古屋大学減災連携研究センター 教授
日本の地震防災行政の歴史及び教訓、日本の関連官庁の役割分担、国全体の施策連携等の防災
行政のあり方、防災文化の普及など
第三部 林春男 NIED(国立研究開発法人防災科学技術研究所) 理事長
クロアチアの2回の大地震のデータを用いて、地震防災のために何ができるかにつき、震災
対応・復興の4つの段階で活用しうる具体的な解決策の例など
このセミナーにより共有された日本の知見が、クロアチアの震災復興に役立つこと、また、今後の日・クロア
チア間の学術交流の発展の一助となることを切に願います。