大使館案内

令和6年1月1日

大使挨拶

駐クロアチア大使 礒正人

 皆様

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

 2023年は日クロアチア外交関係開設30周年にあたり、5月にマトゥシッチ外務欧州副大臣が政務協議のため訪日したのに続き、7月にはグルリッチ=ラドマン外務欧州大臣が訪日して、林外務大臣(当時)と会談すると共に両国間の航空協定に署名して一層の相互交流の基盤を整えました。日本からはドゥブロブニク・フォーラムに吉川外務大臣政務官(当時)、10月にはウクライナにおける人道的地雷除去支援ドナー会合に辻󠄀外務副大臣が出席し、厳しさを増す国際情勢の中で日本とクロアチア両国が価値観を共有するパートナーであることを印象的な形で謳うことができました。

 

 文化面でも2月に大野和士前新国立劇場芸術監督がかつて主任指揮者・音楽監督を務めていたザグレブ・フィルハーモニーを指揮したのを皮切りに、5月にはリエカとオシエクで琉球舞踊を披露するなど記念すべき年に花を添えることができました。

 

 2023年1月にEU加盟後10年にしてユーロ導入、シェンゲン圏加盟を果たし、さらにOECD加盟を目指しています。2022年後半以来のインフレ傾向に拍車がかかるという懸念もありましたが、これも収束の兆しが見え、欧州への更なる統合に向け順調に歩を進めていくでしょう。

 

 しかし、目を少し東方に転じれば、東西冷戦終結後のユーフォリアの時代に終止符を打ったロシアのウクライナ侵略から2月24日で丸2年を迎えます。更に昨年10月のガザ地区での無差別テロを発端とするイスラエル・パレスチナ情勢の急転は地域を越えて将来に不安な陰を落としています。そんな時代だからこそ民主主義、人権、法の支配という日本が最も大切に考える価値観に立ち返り、価値観を共有するクロアチアのような国々と協力を深めて行くことが、緊迫の度を深める世界の行く末に光明を見いだす唯一の道だと信じてやみません。

 

 日本の古い暦では2024年は辰年です。今では龍の年とされていますが、辰という漢字は元々二枚貝が足を伸ばしている様子を表したと言われています。水面下の砂の中を這うような地道な努力を続けろという天の声かも知れません。

 

 勿論、皆様には空を駆け、春分の日には天に昇って恵みの雨を降らせる龍のような飛躍と豊潤の年となることを祈念いたします。

大使略歴

生年月日 1958年6月16日

出身地  東京都

 

学歴:東京外国語大学ドイツ語学科卒業(1984年3月)
   ロンドン大学東洋アフリカ研究学院修士(2002年)

 

1984年4月 外務省入省

 

中・東欧課首席事務官、欧州復興開発銀行(EBRD)理事代理、オーストリア大使館公使等を経て2018年8月より2020年2月までデュッセルドルフ総領事、2022年3月15日付で特命全権大使クロアチア駐箚