大使館案内

帰朝のご挨拶

駐クロアチア大使 瀧口敬二

 2月1日付で、帰朝発令が出され、本日3月12日に帰朝いたします。

 

 平成28年7月の着任以来、約2年8か月余りの間、日本とクロアチアとの間の関係の強化に向けて、努力をしてまいりました。

 

 両国関係を見渡せば、昨年の調査で、80パーセントを超えるクロアチアの人々が日本に関心がある/とても関心があると答えたことに象徴されるように、基本的に両国の関係は非常に友好的です。しかしながら、例えば、経済関係を見ると、日本企業によるクロアチアへの投資件数は24件、また、クロアチアにとって日本は40番台の貿易相手国に止まります。

 

 クロアチアの人々の日本への高い関心という豊かな土壌をベースにして、如何に日本との関係の強化を進めるか、これが、当館の課題でした。

 

 当館では、昨年は、両国外交関係の樹立25周年に当たることから、クロアチア・ハートをモチーフとしたシンボル・マークを作成し、首相間・外相間の祝辞書簡の交換、日本週間、JETROとの共催によるビジネス・ミッションの来訪、海上保安庁の練習船「こじま」の初寄港、バラジュディン・バロック・イーブニングズのパートナー国として多くの日本人音楽家の来訪、ジャパン・デー、山田外務大臣政務官をお迎えして両国の租税条約の締結などなど、数多くの行事やイベントを主催し、また、後援をしました。

 

 これらの開催に当たっては、大変多くのクロアチアの皆さんと日本の皆さんに、一方ならぬお世話になりました。この場を借りて、改めて心から御礼を申し上げます。

 

 これらの行事やイベントを通じて目指したことは、更により多くのクロアチアの人々により深く日本に関心を持ってもらうと同時に、日本の皆さんにもクロアチアの魅力を知っていただく、ということでした。

 

 クロアチアの魅力について、統計的な数値だけを言えば、クロアチアの1人当たりのGDPは、日本の3分の1です。では、クロアチアは日本よりも豊かではないのか言えば、クエスチョン・マークが付きます。

 

 気持ちの良い朝、カフェで1杯のコーヒーを1・2時間かけて楽しむクロアチア人をよく見かけます。この豊かさは、統計から言えば、たった5クーナ(約90円)ほどが付加価値としてGDPに計上されますが、とてもその程度の価値に止まるとは思えません。

 

 夏になると、「最低でも2週間の夏休みを、海岸部のセカンド・ハウスで過ごす」などと言うのは、特別なクロアチア人ではなく、ごく普通のクロアチア人です。旧ユーゴスラビア時代にセカンド・ハウスの保有促進策が講じられたためという話もありますが、クロアチアのセカンド・ハウスの保有率は非常に高いようです。しかし、1杯のコーヒーと同じように、夏休みを2週間セカンド・ハウスで過ごす場合に、その間に購入される「もの・サービス」の原価・価格に基づき付加価値としてGDPに計上される数値は、その実際の優雅さ・豊かさに比較して、非常に低いものになります。  

 GDP統計の数値では、豊かな生活のその質までは反映されないのです。

 

 クロアチアはEUに加盟して5年が過ぎ、先に発効した日本EU・EPAを活用して、日本との経済関係を強化しようという動きも活発になっています。もちろん、当館は、このような動きを踏まえつつ、両国の関係者の皆さんのご理解・ご協力をいただきながら、両国の関係の更なる強化に向けて、引き続き取り組んでいくことになるでしょう。その際、私も、関係者の一人として、また、このようなクロアチアの魅力が維持されることを願いつつ、日本でその取り組みに協力をしてまいりたいと思います。

 

 本日までの両国の関係者の皆さんのご支援に、また、当館の館員の皆さんのご尽力に、心から感謝申し上げ、帰朝のご挨拶といたします。ありがとうございました。

 

2019年3月12日
在クロアチア特命全権大使
瀧口 敬二

【瀧口敬二特命全権大使略歴】

昭和30年生まれ,大分県出身。昭和54年運輸省(当時)入省。国土交通省鉄道局長,総合政策局長を経て,平成28年7月に在クロアチア特命全権大使に着任。在外公館では,平成7年より在連合王国日本国大使館にて勤務。




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