シサク市はクロアチア中部シサク・モスラビナ県の県庁所在地で、2020年12月に発生したマグニチュード6.2の地震により、建物の損壊等の被害が発生しています。シサク市博物館では、本年2月に日本大使館との共催による「焼締め」の展覧会を予定していましたが、震災により中止となった経緯があり、嘉治大使はお見舞いのため同博物館を訪問しました。
チャクシラン館長より、シサク市博物館は地震により建物の一部が損傷する等の被害を受けた、また、丈夫な新館の展示場では、より被害の大きかった近隣自治体博物館の貯蔵品を一時的に預かり保管しているとの説明がありました。シサクは、ケルト人、イリュリヤ人が居住した後、ローマ帝国に属し、博物館では市内の遺跡から発掘されたローマ時代のコイン等、多くの出土品を収蔵しているとのことです。
嘉治大使とチャクシラン館長は、博物館が再開した折には、日本の文化を紹介する事業を共催しましょうと、合意しました。文化事業を共催出来る日が1日も早く来ることを祈っています。
チャクシラン館長に日本における災害の備えを紹介(左)、被災した他の博物館から預かっている貯蔵品の説明を受けました(右)
【2020年12月のペトリニャ市を震源とする地震の発生とその被害の状況】
2020年12月29日午後0時19分、クロアチア中部シサク・モスラビナ県のペトリニャ市(首都ザグレブから南東約50キロメートルに位置)を震源とするマグニチュード6.2の地震が観測されました。(その1分前には、マグニチュード4.2の地震が観測されました)。この地震はクロアチア全土のみならず近隣国でも感じられたほどです。その前日にもペトリニャ市を震源とする地震(最大マグニチュード5.0)が複数回観測されていました。
今回の地震による人的被害に関し、現時点では、死者7名、負傷者24名と発表されています。その他、救出活動中の事故により男性1名が亡くなったほか、4名の消防士が負傷しています。一番被害の大きかったシサク・モスラビナ県では、人口約17万2千人であるのに対し、約6万6千人が直接被災したと報じられています。また同県では、2万2千件以上の建物が損傷し、31の学校及び全ての教会が損傷を受けているとのことです。そのほか、ザグレブ県では1000件以上の建物の損傷が、カルロバツ県では約300件の建物の損傷が報告されています(1月4日の各県知事の報告)。また、ザグレブ市においても、外務・欧州問題省や国防省の建物を含む一部建造物の損傷が報告されています。