ザグレブ大学において、日本大使館、ザグレブ大学哲学部、日本語教師会の共催、国際交流基金、トルコ航空、ニコン、BCC Services、PRISTAN、Gyoza-Sake bar (Destinatio Tokyo)、ANA、 NHK world、3Aコーポレーションの協賛で第18回日本語スピーチコンテスト・日本語発表を開催しました。今回のコンテストには、第一部スピーチ部門に7名、第二部日本語発表(パフォーマンス)部門に個人2名、団体3団体の合計20名が参加し、日頃の日本語学習の成果を競い合いました。
開会式ではブコブチャン・ザグレブ大学哲学部副学部長、アンドリヤニッチ同インド極東学科長が挨拶し、宮﨑臨時代理大使からは、出場者の健闘を祈るとともに、今後も日本語学習を継続してほしい、また、共催者、各協賛企業をはじめ、ご協力いただいたすべての関係者に感謝する旨の挨拶をしました。
コンテストの審査員は、重盛リュブリャナ大学文学部教授、多田国際交流基金プダペスト日本文化センター長、日下部元ザグレブ大学日本語講師及び宮﨑臨時代理大使が務めました。
コンテストの結果は以下のとおりです。
【第一部スピーチ部門】
優勝 「日本とクロアチアの非言語的コミュニケーション」の題で弁論を行ったルチア・トマシッチさん
準優勝 「言語が難しいほど…面白い!」の題で弁論を行ったパウラ・ポドゥルグさん
第三位 「レンタルサービス」の題で弁論を行ったクララ・フリシュチッチさん
審査員特別賞 「小さなところ、大きな心」の題で弁論を行ったニコラ・ヨンチッチさん
大使賞 「文化の保存」の題で弁論を行ったニベス・ブルチッチさん
【第二部パフォーマンス部門】
個人優勝 「愛して 愛して 愛して」の歌を披露したルチア・ブルレティチさん
団体優勝 「幸せなら手をたたこう」の歌を披露したレオン・ボリッチさん、ゴラン・ミロシュさん、ダリオ・パメルさん、スタンコ・パニッチさん
ルチア・トマシッチ
皆さん、こんにちは。トマシッチ・ルチアと申します。今日は日本とクロアチアの非言語的コミュニケーションについてお話したいと思います。
非言語的コミュニケーションというのは、何も話さなくて、身振りや表情などを利用するコミュニケーションのことです。
クロアチアと日本の非言語的コミュニケーションは色々な違いがあります。
まず、日本人と話したり、日本のテレビを見たりして、クロアチア人と比べると日本人は身振りはあまり使わないことに気づきました。一方で、クロアチア人は話す時に身振りをよく使っています。実は他の人に「クロアチア人が話すことはたまに喧嘩するように見える」とも言われています。私も話す時によく手を動いたり、部屋を歩いたりしますから、最初に、スピーチをするときに動かないことに慣れるのはちょっと難しかったです。
その違いの主な理由は特に言語と文法です。日本語は感情や意見を表すために色々な文法があって、身振りを使わなくても、文だけからスピーカーが表したいことがよくわかります。例えば、文末につける「よ、ね、んです、でしょう」などの様々な表現です。その一方、クロアチア語の文法は別の面で多様性がありますが、日本よりだいぶ感情や意見を表す表現が少ないです。でもクロアチア語の方が直接的で、身振りや表情や動きなどを使って、言いたいことを伝えます。
日本語の面白いことは、クロアチア語のような直接的な言語ではなくて、全部はっきり言わないのに、文の中に気持ちは全て入っているということです。
しかし、日本人は身振りを全然使わないというわけではないんです。身振りもいろいろな違いがあって、クロアチア語と日本語を比べるのは面白いと思います。
例えば、クロアチア人が自分のことについて話したら、心臓のところを指しますが、日本人は鼻を指します。もう一つの例は手で数えることです。クロアチア人は番号を表したいときに指を上げますが、日本人は指を下げます。これを初めて見たときにとても紛らわしかったです。私はその前にそういう風にも数えられることを全然考えたことがありませんでした。でも日本語を勉強し始めたから、いろいろな今まで全然考えたことがなかったことを見つけました。
私が普通だと思っていたことが普通ではないことに気づきました。私が知っている以外の考え方もあります。日本語の勉強のおかげで、これからそんなことについてもっと知りたくなって、私の世界がもっと大きくなりました。
今日は日本とクロアチアの非言語的コミュニケーションについてお話させていただきました。