10月1日、バラジュディン市及びザグレブ市で、俳句に関する講演を開催しました。

 この俳句講演は、日本・クロアチア外交関係樹立25周年記念事業の一環として、国際交流基金と当館の共催で、講師に作家の池澤夏樹さんと堀武昭さんを迎え、開催したものです。クロアチアでは、故デビデ教授の尽力により、一部の小学校でも「Haiku」が紹介されるなど、「Haiku」を楽しむ人が多くいます。一方で、本来の俳句の17音節や季語については十分知られていません。

 

 講演では、池澤さんが、「俳句、どうしてこんなに短いの?」と題して、日本の文学史をたどりながら、17音節の俳句に至る日本の詩の形式の変化について説明するとともに、自然に自分の思いを重ねるという日本の詩の伝統は続いているというお話をされました。

 

 続いて堀さんから、「俳句、生きとし生けるもの」と題して、芭蕉の「古池や」の句を解説しながら、季語を含め俳句を他の言語に翻訳することの難しさを説明しつつ、俳句の国際化の可能性についてお話をされました。

 

 会場にはクロアチアの文壇関係者をはじめ、多くの日本文学愛好者が訪れ、熱心に講演に聞き入っていました。

 

 


池澤さんの講演の様子


堀さんの講演の様子

 


会場の様子