4月8~9日,井出大使とミクリャン職員はスプリット=ダルマチア県スプリット市を訪問しました。
1 スプリット=ダルマチア県ジェヴルニャ県知事との会談(ブルチッチ副知事ら同席)
(1) ジェヴルニャ県知事より以下を述べました。
・2013年に3万2千人の日本人観光客がスプリット=ダルマチア県を来訪した。
・食品産業も盛んなので,今後はアグロ・ツーリズムを発達させたい。
・県内に13の産業ゾーンを設置した。スプリット大学では2万2千人が勉強している。
・風力発電等の再生可能エネルギーを活用しており,また将来400MWのガス発電所も建設する予定。
・スプリット市内の造船所は,対象とするマーケットを絞り込んで専門化することで厳しい競争に立ち向かっている。
・外国からの自動車部品製造への投資も行われており(プラスチック部品製造),日本企業からの直接投資を歓迎する。
既に伊,オーストリア,仏,独,北欧諸国からの投資がなされている。
(2) 井出大使からは,多くのクロアチア高級船員が日本の船会社で雇用されていることなどを説明し,投資誘致関連情報は
日本企業に伝達する旨述べました。
2 スプリット市バルダサル市長との会談表敬(バタレロ副市長ら同席)
(1) バルダサル市長より以下を述べました。
・昨2013年9月の海上自衛隊練習艦「かしま」のスプリト寄港が成功 したことは喜ばしい。
・自分(市長)は観光業で働いてきたが,日本からの観光客が多くスプリット市を訪問していることも喜ばしい。
昨年8月に日本人建築家のグループがスプリット市を訪問し,良い交流ができた。
・スプリット市で行われる各種文化行事に,日本のアーチスト,音楽家に参加していただきたい。
また両国の美術館同士の交流,展示物交換を企画したい。
(2) 井出大使からは「かしま」寄港の際の市側からの配慮,日本人観光客への様々な支援に対して謝意を表明し,
今後も各種交流を進めたい旨述べました。
3 クロアチア海軍基地での,スティパノビッチ副司令官,サンティッチ大佐との会談。
(1) スティパノビッチ副司令官から,昨年9月の海上自衛隊練習艦「かしま」のスプリット寄港は大変意義深い出来事であった,
日本の船舶の寄港はいつでも大歓迎するとの発言がありました。
井出大使よりは「かしま」寄港の際にクロアチア側から受けた厚遇に改めて謝意を表明しました。
(2) クロアチア海軍の歴史と現状(含む国防省傘下にある沿岸警備隊の状況)についての説明を受けました。
その中で,アドリア海の安全確保を特に重視しているとの説明がありました。
4 スプリット大学海洋学部学生への講演(場所が海軍敷地内の会議室で行われたこともあり,約60名の学生に加え,海軍基地幹部・士官数名も傍聴しました。)
(1) 井出大使より日本の造船の歴史,最近の造船業の状況,海洋での安全保障環境の変化と日本の対応,その他日本の海洋政策を
説明しました。このテーマは事前にスプリット大学から要望があったものです。
(2) 以下の質問が出され,井出大使とミクリャン職員から説明しました。
・日本への留学制度の詳細。
・クロアチア人が日本の船会社に就職できる可能性
・捕鯨に関する国際司法裁判所の判決へのコメント