第13回日本語スピーチコンテスト・日本語発表の開催(結果概要)

 

 

 

 5月17日(土)ザグレブ大学哲学部において,日本大使館,ザグレブ大学哲学部,日本語教師会の共催,国際交流基金の助成,Nikon,OLYMPUS,BCC Service,PRISTAN,ANAの後援で,『第13回日本語スピーチコンテスト・日本語発表』が開催されました。今回のコンテストには,第一部スピーチ部門に14名,第二部日本語発表(パフォーマンス)部門に27名,合計41名が参加者し,日頃の日本語学習の成果を競い合いました。

 

 


(スピーチ部門優勝のドゥニャ・ラドヴィッチさん)


(審査員と会場の様子)

 

 第一部スピーチ部門では,「クロアチアの児童文学者 マトー・ロヴラック」をテーマに弁論を行ったドゥニャ・ラドヴィッチさんが優勝し,「私の旅行」をテーマに弁論を行ったテナ・バビッチさんが準優勝,「高校卒業」をテーマに弁論を行ったイマン・ハイダル・ディアブさんが第三位を,「あい!チキン」の題で弁論を行ったヴェロニカ・コヴァチュさんが審査員特別賞を獲得しました。

 


(スピーチ部門準優勝のバビッチさん)


(第3位のディアブさん)


(審査員特別賞のコヴァチュさん)

 

 第二部日本語発表(パフォーマンス)部門では,歌と踊り「クイヨミ」を披露したペトラ・マレジヤさんが個人部門,狂言「附子」を披露したアンドレア・ジュヴァブさん,イヴァ・フレリャさん,ミルタ・スタメニッチさんが団体部門で優勝しました。観客の投票により選ぶ「観客賞」は,「ドレミの歌」を合唱したアンドレア・ロガルさん,アンゲラ・リディヤ・サヴィッチさん,ドラ・カヴィツキさん,ペタル・シュピナさん,スタニスラヴァ・ラドサヴリェヴィッチさん,タマラ・ラドヴァノヴィッチさん,ニコリナ・ヤペツさん,イヴァン・ブラゴイェヴィッチさん,ガブリエル・クロブチャルさんが受賞しました。

 


(パフォーマンス個人優勝者のマレジヤさん)


(団体部門 狂言「附子」の発表)


(観客者賞授与の様子)

 

 

 第一部スピーチ部門で優勝したドゥニャ・ラドヴィッチさんの弁論

 

 私のスピーチのトピックはマトー・ロヴラックです。マトー・ロヴラックはクロアチアの有名な児童文学作家です。彼は20世紀の前半に活躍しましたが、彼の作品は今でも人気があります。彼の職業は教師で、35年間様々な村や都市で教えていました。村に育ったので、彼の小説の主人公の大部分は村に住んでいる子どもたちです。彼の小説の主題はこどもたちの友情と団結です。ロヴラックは若い教師だった時、実際の出来事に触発されて「雪の中の電車」という小説を書きました。これは彼の最も有名な作品の一つです。小さな村に住んでいる小学生は先生と一緒にザグレブに遠足に行きましたが、ザグレブで先生が病気になってしまい、子供たちが自分で電車で村に戻らなければならなくなりました。しかし、その日は雪がたくさん降って、電車が雪の中で立ち往生してしまいました。そこで、子供たちは皆一緒に手や足で雪を片付けました。それを見た、大人たちは、重要なことを彼らから学びました。それは、協力や団結で、すべての問題を解決することができるということです。さらに、彼の小説の子供たちの多くは、貧しい家庭の子供です。でも、正直で賢く、何かを成し遂げます。誰にでも、平等にチャンスはあるのです。こうしたメッセージは、国や文化に関係なく、普遍的だと思います。だから、このような話は日本の子供たちにも面白いでしょう。また、マトー・ロヴラックのような作家は日本にもいます。日本人の作家灰谷健次郎も小学校の教師で、子供たちについて小説を書きました。彼の小説はクロアチア語にも翻訳されました。灰谷の小説「兎の眼」で、「処理所の子」鉄三は最初は、話したり勉強したくなかったりしましたが、小説の終わりまでに自分の特別な才能を見つけました。このような話が重要だと思います。だれもが自分の才能を持って、協力と団結で、何かを達成することができることを子供たちに教えています。;

 

 当日の写真(Facebookサイト)はこちらをご覧下さい。

 

 

 また,5月18日(日)には,ザグレブ大学哲学部において,国際交流基金ブダペスト日本文化センターの村上日本語教育上級専門家により日本語教師向け研修会が行われました。同研修会では,村上専門家より,日本語の「自律学習」(自分で設定した目的・目標に向かって,目標に沿った勉強方法選択・計画作りを行い学習を実施し,評価する学習方法)についての説明がなされ,日本語教師・学習者双方にとって有益な学習方法や沢山のツールが紹介されました。また,日本語を自律学習する人の為のFacebookコミュニティーも立ち上げられました。

 クロアチアで日本語を自律学習する人の為のFBコミュニティー
https://www.facebook.com/#!/groups/CroatiaJapan/