3月15日,井出大使はシュクルガティッチ海事・交通・インフラ省次官を表敬訪問しました。

 

 シュクルガティッチ次官は,元カルロバッツ市長,前リエカ-ザグレブ高速道路会社道路管理会社社長です。ブトコビッチ海事・交通・インフラ省大臣は現在国会審議中で都合つかなかったため,代理で井出大使と面会しました。

 同次官からは,海運・輸送・インフラと多岐にわたる分野を所掌しており11部署から構成されており,また50の国有企業を所管しており,うち10企業は戦略的に重要な企業と位置づけられているとの説明がありました。

 同省では現在,①リエカ港近代化,リエカ・ハンガリー鉄道,クルク港コンテナターミナル建設のプロジェクト,これらの港を結ぶ橋の建設,②サバ川・ダヌーヴ川の河川航行の発展,③ペリェシャッツ橋(注:ペリェシャッツ半島とクロアチアの南端を結ぶ橋を建設することで,ボスニア・ヘルツェゴビナ領土を通らずにクロアチア国内を移動できる)建設を主要な3大プロジェクトと位置づけているとの説明がありました。

 またクロアチアの鉄道の近代化が必要であり,日本との協力への関心も表明されました。井出大使からは,日本の日立が英国での高速鉄道敷設を受注し800台以上の車両が英国内で製造される予定であることを説明し,もし日本企業がクロアチア国内の鉄道近代化に参加すれば,コンチャル社やジュロ・ジャコビッチ社(共にクロアチア国内メーカー)との協力の可能性も開けるのではないかと述べました。

 またプロミンC火力発電所近代化プロジェクトについても意見交換し,井出大使からは,環境面で優れた技術が導入される予定であること,同プロジェクトは地元に雇用創出をもたらすものであるとの説明をしました。

 井出大使からは,日本の大手商船会社3社で合わせて約600~700人のクロアチア人高級船員を雇用していることを説明し,この分野の協力の更なる発展を期待すると述べました。

 井出大使からは,クロアチア航空が将来三菱航空機MRJを導入すれば素晴らしいと指摘しました。これに対してシュクルガティッチ次官からはクロアチア航空の経営近代化が不可欠なので,日本側企業から同社への資本参加の検討をお願いしたいと述べました。