5月21日,第15回日本語スピーチコンテスト・日本語発表を開催しました。
ザグレブ大学哲学部において,日本大使館,ザグレブ大学哲学部,日本語教師会の共催,トルコ航空,ニコン,オリンパス,BCC Service,PRISTAN,Destinatio Tokyo,ANA, NHK cosmo mediaの協賛・協力で「第15回日本語スピーチコンテスト・日本語発表」を開催しました。今回のコンテストには,第一部スピーチ部門に19名,第二部日本語発表(パフォーマンス)部門に24名,合計43名が参加者し,日頃の日本語学習の成果を競い合いました。
審査員として多田早苗国際交流基金ブダペスト日本文化センター所長も参加されました。
第一部スピーチ部門では,「妖怪友達-ぼくの書いたお話」の題で弁論を行ったボルナ・ボジョビッチさんが優勝し,「宮崎駿のアニメ映画」をテーマに弁論を行ったイェレナ・グルバベツさんが準優勝,「平等についての私の考え」をテーマに弁論を行ったドミニク・シュタロさんが第三位を,「剣道の声」の題で弁論を行ったメリタ・スモルコさんが審査員特別賞を,「すしとサルマと和菓子!?」の題で弁論を行ったマテア・ユリチッチさんが日本大使特別賞を受賞しました。
第二部日本語発表(パフォーマンス)部門団体の部では,歌「すもうじんく」を披露したデニス・シュテフォックさん,ペトラ・ゼニチさん,個人の部では,歌「春よ、来い」を披露したアナ・ヨニッチさんが優勝しました。
第一部スピーチ部門で優勝したボルナ・ボジョビッチさんの弁論
妖怪友だち
ボルナ・ボジョビッチ
これはぼくの書いた物がたりです。
昔、昔ある村に太郎という六才の男の子が住んでいました。とても元気だった。お父さんの仕事はのうぎょうだったので、よくお父さんといっしょに、小さい子なのに畑の仕事を手つだいました。畑は家から遠くなかった。
ある日の事、太郎はお父さんの手つだいをしないで遊びたかったので、友だちをさがしにふらふらしましたが見つかりませんでした。悲しい顔で空を見上げていると目の前におかしな(みょうな)あたまが大きく足が短くて手が長い、二つの目が黒い小さな、かわいい口のあるおばけのような子供があらわれました。
太郎はびっくりしませんでした。「ああよかった、これで一人で遊ぶことはいい」と言いながらよろこびました。
太郎は妖怪友だちの手をつかんで森の方へ畑をぬけてかけて行きました。妖怪友だちは何もしゃべりませんでした。二人は、木にのぼったり、森にさく花をとってなかよく遊んでいました。それを太郎のお父さんがぐうぜん見てびっくり
「太郎、家にかえろう」とよびました。
「ぜったい妖怪友達と遊んではいけない」と言いました。
ある日 いつものように太郎は、畑でお父さんの手つだいをしているとき、くたびれていたので足のそばにいるへびに気がつきませんでした。へびが太郎にかみつこうとした時どこからやって来たのか妖怪友達があらわれて、へびを遠くへなげとばした。
それを見たお父さんは「妖怪友達は、心のよい持ちぬしだね」といい「これからいつでも遊んでいいよ」と言いました。
人は、わからないことをおそれるのは、とうぜんですが、何でもふかく見ることが大切ですね。私達のみのまわりにあることです。